資金繰り 支出の優先順位
資金繰りが悪化した場合には、支出の優先順位を決めて、支出をしていく必要があります。
順位としては、
(1)手形・小切手の支払
(2)従業員の給料の支払
(3)仕入代金の支払
(4)家賃の支払
(5)公共料金・税金の支払
(6)借入金の利息・元本の支払
のようになるのではないでしょうか。多少解説をしますと、
(1)手形・小切手の支払
不渡りを2回出すと、銀行取引が停止してしまいますので、最優先する必要
があります。
「手形のジャンプ(支払期限の先延ばし)」を取引先に依頼する方法があり
ますが、理由・支払の目途をしっかり説明しなければ、応じてもらえないでし
ょう。
なお、説明が苦手な経営者の方は、弁護士に依頼することを検討してよろし
いかと思います。弁護士は、主に訴訟を業務としていますが、それは、裁判官
を説得する側面もあり、説明は慣れているからです。
(2)従業員の給料の支払
従業員の士気にかかわることから優先すべきです。
(3)仕入代金の支払
取引先の信用を失うと、取引縮小・停止になり、業務に影響するでしょうか
ら、優先すべきです。
(4)家賃の支払
減額・支払延期の依頼を試みるべきです。
家賃の支払いが多少遅れても、直ちに、賃貸借契約が解除されるものではな
いので、(1)(2)(3)に比べて、優先度合いは低くなります。
(5)公共料金・税金の支払
これらは、猶予を受ける制度があるので(たとえば、国税なら、国税通則法
46条)、相談すべきです。
(6)借入金の利息・元本の支払
これらは、金融機関に相談することで、返済のリスケジュールを対応してく
れる場合があります。
さらに、中小企業庁の「認定支援機関による経営改善計画査定事業」に該当
すると、弁護士費用の3分の2を国が負担してくれる制度もあります。