よくある質問

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違法な並行輸入とクレームがきた場合に確認すべき事項 その1line

 そもそも、並行輸入とは、外国で製造された商品を輸入するに際し、我が国における総代理店等によって国内に輸入するという流通経路を通らずに、外国で販売された商品を現地で購入した上、総代理店を通さずに総代理店以外の者が別ルートで輸入すること、です。

 同じ品質の製品が日本国内より海外の方が安い場合、消費者としては、同じ真正商品なら安い海外の製品を欲しいと思うのは当然です。他方、総代理店等の正規ルートの製品を扱っているお店としては安い製品を輸入されると困ります。

 それでは、どのような場合に、並行輸入が許されるのでしょうか、平成15年に出されたフレッドペリー事件の最高裁判例によると、
(1)真正商品性、すなわち、商標が外国における商標権者又は当該商標権者から使用許諾を受けた者により適法に付されたこと
(2)権利者の同一性、すなわち、外国における商標権社と我が国の商標権者とが同一人であるか又は法律的若しくは経済的に同一人と同視し得るような関係があることにより、当該商標が我が国の登録商標と同一の出所を表示するものであること
(3)品質管理、すなわち、我が国の商標権者が直接的又は間接的に当該商品の品質管理を行い得る立場にあることから、当該商品と我が国の商標権者が登録商標を付した商品とが当該登録商標の保証する品質において実質的に差異がないと評価されること、
 の要件が満たされる場合に、認められるとしました。

 ライセンス契約の製造地制限、下請制限条項に違反した商品を並行輸入したこの事件では、違法とされました。権利者の同一性と品質管理の要件を満たさないからです。

 (1)(2)(3)の要件は、容易に満たすように感じてしまいます。しかし、少なくとも(1)(2)は、違法と主張された側が立証しなければなりません。そこで、次に、どのような立証をしなければならないか、を次に見ていきたいと思います。これは、並行輸入をする際に、事前に、どのような資料を用意しておけばいいのかを考える際の参考になると思います。

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弁護士 藍原 義章
弁護士 鳥生 尚美
(第二東京弁護士会所属)

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