建設業からの下請代金の回収方法
元請負業者(A社)から請け負った下請業者(B社)から、さらに下請をし、引渡しを終えたのですが、下請代金を支払ってくれません。どのような下請代金の回収方法には、どのような方法があるでしょうか。
典型的な回収方法は、下請業者を相手に請求する方法です。訴訟提起、仮処分等の裁判上の手続き、内容証明郵便で請求する等の非裁判手続きがあります。
次に、建設業に特有の回収方法があります。
まず、行政指導で支払いを促してもらう方法です。国土交通大臣、都道府県知事は、建設業を営む者に対し、「建設業の健全な発達を図るため」に必要な指導をすることができます。公共事業の仕事が多い建設業者の場合、その行政指導に従わざるを得ないことが多いと考えられています。
そこで、C社としては、B社を監督する立場にある国土交通大臣または都道府県知事に行政指導を行うよう求めることが考えられます。
次に、元請負業者(A社)に対する請求が考えられます。A社とC社には取引関係がないため、通常、請求することはできません。ただし、A社が特定建設業者の場合、C社はA社から支払ってもらえる制度があります。この制度は、C社が、A社に特定建設業者の許可をした国土交通大臣または都道府県知事に、下請負代金の立替払いの勧告を求め、こられの機関が「適正と認められる金額」の立替払いを勧告してくれるのです。
訴訟等の裁判上の手続き、その他行政機関を利用した手続きとも、支払ってもらう必要性を分かりやすく書面にまとめる必要があります。これらの手続きを利用する場合は、弁護士に相談されることをお薦めいたします。